これまでWordPressサーバーの王座には、GMOインターネットが提供する「ConoHa WING(コノハウィング)」が君臨していました。
しかし2019年10月、エックスサーバー社がリリースした新サーバー「wpX Speed」により、王座の座を明け渡すことになりそうです。
当記事では、
「そもそもサーバーの比較ってどこを見ればいいの?」
「wpX SpeedはなぜWordPressサーバーで1番おすすめなの?」
という疑問をお持ちの方向けに、
- サーバーを選ぶときの評価ポイント
- wpX SPEEDと他社サーバーのざっくり比較
- wpX SPEEDとConoha WINGの徹底比較
について解説します。
サーバーを選ぶときの評価ポイント7つ
サーバーを選ぶときの評価ポイントは、主に以下の5つです。
- ストレージ容量
- データベース容量
- 転送量目安
- メモリ・コア
- 月額料金
- サブドメイン対応
- マルチドメイン対応
プログラミングやインフラに詳しくない人だと「さっぱりわからん…」って感じですよね。
でも、ブログやメディアを運営する上で最低限知っておいた方が良いこともあったりするので、そのあたりも含めわかりやすく解説していきますね。
ストレージ容量
ストレージ容量というのは、そのサーバーでファイルを保存できる最大値を表しています。
PCを買うときにチェックする「SSD128GB」とか、外付けHDDを買うときにチェックする「容量1TB」とかとイメージは同じです。
ストレージ容量が少ないとサーバーで保存できるファイル数が少なくなるので、画像を上げられなくて困る可能性があります。
目安としては、最低でも200GBは欲しいとこです。
データベース容量
データベース容量とは、そのサーバー内にあるデータベースで保存でできるデータの容量です。
「え?さっきのストレージ容量と何が違うの?」
って感じだと思いますが、どこが違うかと言うと、保存するデータの種類が違います。
保存するデータの種類
- ストレージ:システム本体と画像ファイルなど
- データベース:記事やカテゴリ・タグなど
ストレージに保存するデータは、WordPressのシステムそのもののプログラムや、先ほども述べた写真やイラストなどの画像データです。
対してデータベースに保存されているデータは、記事内のテキスト(文字、文章)やカテゴリ・タグの種類、記事とカテゴリ・タグの紐付け状況などのデータが保存されています。
データベースの容量が少ないと、記事を書きたいと思っても「これ以上記事が書けない…」みたいなことになったりします。
目安としては、最低でも1GB、できればプラン次第で容量を増やせるようだと安心ですね。
転送量目安
転送量目安は、1ヶ月あたりにそのサーバーが転送できるデータの総量です。
「ここに記載されている以上のデータは転送できませんよ」
という意味なので、最初のうちは大丈夫だと思いますが、定期的に上限が近づいていないかチェックするようにしましょう。
目安としてはとりあえず転送量2.5TBくらいあれば心配いらないでしょう。
メモリ・コア
メモリ・コアとは「どれくらい高速に、安定して処理ができるか」の目安になる数値です。
少し専門的なのでわかりにくいかもですが、
- メモリ:処理速度
- コア:処理する機械の数
ってイメージです。
なので、メモリが大きいほど処理は早くなるし、コア数が大きいほど安定して速く処理してくれるようになります。
目安としては最低でもメモリ2GB、コア数2くらいあればいいかなと思います。
月額料金
気になる月額料金ですが、数千円クラスの話なら、あまりケチらないことをおすすめします。
なぜなら、サーバー代を数千円ケチったことで、その後のブログ収益に数万円規模のダメージが及ぶこともあるからです。
できるだけ費用を抑えたいという気持ちは分かりますが、数千円クラスなら我慢しましょう。
ブログ開設時のサーバー代としては、月額3,000円以下ならOKかなと思います。
サブドメイン対応
サブドメイン対応とは「同じサーバー上で、親サイトとそっくりなテスト用の子サイトを作れるか」ということです。
サイトのデザインや機能を変更するときに、実際のサイトをそのまま変更するのはちょっと気が引けますよね(ミスったら大変なことになります)。
そんなときはサブドメインで子サイトを作成してテストをするのですが、サーバーによってはこのサブドメインに対応していないことがあります。
多分ほとんどの方がサイトデザインの編集をすると思うので、サブドメインに対応しているかどうかは、チェックしておいた方が良いかもしれません。
マルチドメイン対応
マルチドメイン対応とは「同じサーバーで複数サイトを作れるか」ということです。
最初は1つのサイトを運営するのに精一杯だと思いますが、慣れてくると「複数サイトを運営して収益アップを狙おうかな?」なんて欲張りな心が出てくることがあります。
そんなときにマルチドメインに対応しているサーバーを使っていると、なんと追加料金なしで同じサーバー上に新しいサイトを作ることができます。
将来的に複数サイトを運営したり、仲間と一緒に運営したりする可能性のある人は、マルチドメイン対応のサーバーを選んでおくことをおすすめします。
wpX Speedと他サーバーのおすすめ比較
WordPressサーバーを選ぶときのポイントについて理解したので、さっそく各サーバーの機能を比較してみましょう。
wpX Speedと6サーバーをざっくり比較
今回、比較するサーバーは以下6つです。
有名どころを揃えてみました。
- wpX Speed
- Conoha Wing
- カラフルボックス
- エックスサーバー
- KAGOYA
- MixHost
上記6サーバーを前述の7項目で比較した結果が下記です。
項目 | wpX Speed | Conoha Wing | カラフルボックス | エックスサーバー | KAGOYA | MixHost |
---|---|---|---|---|---|---|
ストレージ容量 | 200GB | 200GB | 200GB | 200GB | 40GB | 150GB |
データベース容量 | 1GB | 1GB | ー | ー | ー | ー |
転送量 | 2.5TB | 2.5TB | 3TB | ー | 120GB | ー |
メモリ/コア | 2GB/2コア | ー | 6GB/4コア | ー | 1.5GB/2コア | 4GB/3コア |
サブドメイン対応 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
マルチドメイン対応 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
月額料金 | 1,200円 | 1,200円 | 1,480円 | 900円 初期1,500円 |
990円 | 980円 |
この時点で、
の4つに候補が絞られますが、使いやすさや安定性の観点も加えると、
「カラフルボックス」
「MixHost」
の2サーバーの優先度も下がることになります。
カラフルボックスのマイナスポイント
MixHostのマイナスポイント
「wpX Speed」と「Conoha WING」を徹底比較
となると残るは「wpX Speed」と「Conoha WING」です。
WordPressのサーバーにふさわしいのはどちらなのか決着をつけましょう。
両者のスペックを、今度はプランごとに細かく見ていきます。
wpX Speedの機能・料金表
項目 | W1 | W2 | W3 |
---|---|---|---|
ストレージ容量 | 200GB | 300GB | 400GB |
データベース容量 | 1GB | 2GB | 3GB |
転送量目安 | 2.5TB/月 | 3.0TB/月 | 3.5TB/月 |
メモリ/コア | 2GB/2コア | 4GB/3コア | 8GB/4コア |
月額料金 | 1,200円 | 2,400円 | 4,800円 |
Conoha WINGの機能・料金表
項目 | ベーシック | スタンダード | プレミアム |
---|---|---|---|
ストレージ容量 | 200GB | 300GB | 400GB |
データベース容量 | 1GB | 1GB | 1GB |
転送量目安 | 2.5TB/月 | 3.0TB/月 | 3.5TB/月 |
月額料金 | 1,200円 | 2,400円 | 4,800円 |
1番したのプランだと両者ほとんど差がありませんでしたが、プランが上がるに連れてデータベース容量に差が生まれることから「wpX Speed」の方が大きいメリットを得られることが分かります。
Conoha WINGだとデータベース容量がいっぱいになった時点で成すすべなく「アウト!」ですが、wpX Speedだとプランを上げることでデータベース容量の上限を上げることができます。
また、Conoha WINGは上記3プランで全てですが、wpX Speedにはこの上にさらに4プラン(全部で7プラン)もあります。
正直、個人でやるメディアやブログならほぼ使わないと思いますが、万が一サイトが大きくなったときでも、wpX Speedならプランを引き上げることでさらにサイトを大きくすることができます。
【決定打】オートスケール機能
最後に、これはもう決定打にもなりうる機能なのですが、「wpX Speed」には、一時的にアクセスが上がったときでもサーバーが処理できるように、オートスケール機能が標準装備されています。
通常、このオートスケール機能と言うのはクラウドサーバーでしか使うことができないのですが、wpX Speedではこのオートスケール機能を標準機能として使うことができます。
しかも1時間単位で利用できるので、最小限の費用で無駄使いする心配はありません。
近年はGoogle砲やRSSなど外部キュレーションからの流入も増えてきていますので、瞬間的なアクセス負荷にも耐えられるのは頼もしい限りです。
まとめ
今回はWordPressサーバーを選ぶときに確認すべき7つのポイントと、おすすめのWordPressサーバーについて解説しました。
「ConoHa WING(コノハウィング)」はとても良いサーバーなのですが、新開発された「wpX Speed」には勝てませんでしたね。
とはいえWordPress以外の開発をするなら、「ConoHa WING(コノハウィング)」はまだまだ選択肢に入ってきます。
という感じでサーバー始め、技術の進歩は凄まじいので、定期的に自分が使っている技術が遅れていないか見直すことも大切です。
もしかしたら「WordPressを使う事自体が遅れている」なんて未来が来る日も近いかもしれません。
では、また。