グロービス経営大学院の単科科目「クリティカル・シンキング(クリシン)」では、3ヶ月全6回の講義のうち、DAY4でレポート課題の提出を求められます。
レポートは10点満点の評価が4倍されて総合評価点に入るため、レポート課題の出来不出来はそのまま講義を通しての評価(修了判定)に直結します。そのため、クリティカル・シンキング講座においてレポート課題は非常に重要な役割を持っているのです。
※2026年10月3日に、受講料・評価の仕組み・GLOBIS 学び放題の料金をグロービスの公式情報で確認し、内容を更新しました。
当記事ではクリティカル・シンキング講座で高い評価を得るために、
- クリティカルシンキングレポートの書き方
- 最高点を取りたい人が知っておくべきこと
- 最高点のその先に行くには?
というテーマで解説します。
クリティカルシンキングとは?
クリティカルシンキングとは、「それは本当に正しいのか?」という疑問を持ち、物事の本質に早くたどり着くための思考法です。
クリティカルシンキングは「批判的思考」と訳されますが、これはただ「批判的な眼で物事を見る人間になれ」と言っているのではなく、「真実を疑え。本質を追求しろ」という意味が込められています。
ロジカルシンキングやラテラルシンキングで論理的に物事を考えた後に、「何か見落としていた観点はないか?」と批判的に物事を考えるのが、クリティカルシンキングの使い方です。
クリティカルシンキングについてもっと知りたい人は、こちらの記事でおすすめの本を紹介しています。

グロービスのクリティカルシンキング講座とは?
グロービス経営大学院にはさまざまなビジネスに関する科目があり、クリティカル・シンキング講座はその中の一つです。
クリティカル・シンキング講座の概要や評価の仕組み、レポートの位置づけなどについて解説します。
講座概要
グロービスのクリティカル・シンキングは、以下の日程でスケジューリングされています。
1回1回の講義時間は短いですが、その分持ち帰りの課題(レポート)や、オンラインでのコミュニケーションが重要になってきます。
評価にはレポートやクラスでの発言だけでなく、予習・振り返りの課題提出や、授業後の振り返り投稿も含まれるため、受講期間は常に気が抜けない状況になります。
| 期間 | 3ヶ月(1月期・4月期・7月期・10月期の年4回開講) |
|---|---|
| 回数 | 全6回(2週間に1回) |
| 各回 | 3時間 |
| クラス定員 | 通常35名 |
| 受講形式 | 通学またはオンライン(ライブ授業) |
| 受講料 | 128,000円(非課税) 初めて単科を受講する場合は別途入学金23,000円(非課税) |
出典:グロービス経営大学院「単科生制度」「科目紹介「クリティカル・シンキング」」(2026年10月3日確認)。オンラインクラスもカリキュラム・教材・成績評価は通学クラスと同じです(オンライン受講の案内)。
評価の仕組み
クリティカル・シンキングは、DAY4にレポート課題がある科目です。グロービスの案内では、評価は以下の仕組みで決まります。
- 評価対象になる条件:6回中4回以上クラスに出席し、期限内にレポートを提出すること
- 総合成績:クラス内で総合評価点の合計をもとにした相対評価
- 修了判定:A・B・C・Dは「修了」、Fと評価対象外は「不可」
不可を避けるには、まず出席とレポート提出という評価対象の条件を確実に満たすことが前提です。そのうえで相対評価なので、A評価を狙うなら予習・振り返り・発言・レポートのすべてで点を積み重ねる必要があります。
全体評価の仕組み
| 評価 | 割合 | 人数 ※40人の場合 |
修了判定 |
|---|---|---|---|
| A | 15% | 6人 | 修了 |
| B | 35% | 14人 | 修了 |
| C | 40% | 16人 | 修了 |
| D・F | 10% | 4人 | Dは修了 Fは不可 |
点数の内訳
| 項目 | 点数 | 内容 |
|---|---|---|
| アサインメント・振り返り投稿 | 13点 | ・予習アサインメント:1点×5回(DAY1・2・3・5・6) ・振り返りアサインメント:3点(DAY6) ・振り返り投稿:1点×5回(DAY1〜5) |
| ディスカッション | 1回最大8点 | 毎回のクラス中の発言を質と量で評価 ・質評価:◎:5点 ◯:3点 無印:0点 ・量評価:◎:3点 ◯:2点 無印:0点 |
| レポート | 40点 | DAY4で提出するレポート課題 10点満点の評価を4倍して総合評価点に入れる |
出典:グロービス「大学院単科 評価」(2026年10月3日確認)。ディスカッションを何回分評価するかは公表されていません。最新の条件は受講するクラスのシラバスで確認してください。
レポートの最高点は?
1つの課題として配点が最も大きいレポートですが、実際のところどれくらいの点数を狙うべきなのでしょうか?
グロービスはレポートの最高点や平均点を公表していません。この記事の初版(2020年)では、受講経験者のブログをもとに「最高は9.0点、平均は5〜6点程度」と紹介していましたが、現在はその情報を確認できません。あくまで当時の目安として見てください。
レポートは10点満点で、「分析力/洞察力」「論理展開能力」「仮説構築能力」「ビジネスフレームワークに関する理解度」の4つの観点で評価されます。また、総合成績はクラス内の相対評価なので、点数そのものより、クラスの中で上位に入れるかが重要です。
あなた自身におけるクリティカル・シンキング講座の重要度にもよりますが、A評価を狙うならレポートに十分な時間をかけて論理の穴をつぶす、修了を優先するなら評価の観点を外さない構成で期限内に確実に出す、のどちらかに方針を決めておくと迷いません。
ここからはコスパ良く乗り切りたい人向けに、クリティカルシンキングレポートの書き方のコツについて解説します。
クリティカルシンキングのレポートの書き方【3つのポイント】
クリティカルシンキングのレポート課題はDAY4で提出します。期限内の提出は評価対象になるための条件なので、受講生全員に必須です。
クリティカルシンキングのレポートなので、必ず「クリティカルシンキングの考え方に則って」論じる必要があります。
ここからはクリティカルシンキングのレポートの書き方ということで、最低限守るべき3つのポイントを紹介します。
問い(イシュー)からブレない
レポートなので、ある題目に対して自分の考えを論じていくことになります。その際に重要なのが、話を脱線しないことです。
2010年に刊行され、2024年に改訂版も出た「イシューからはじめよ」という本がありますが、クリティカルシンキングのレポートでは、まさしく問い(イシュー)からブレることなく、自分の考えを論じていくことが重要です。
レポートを書き進めていくと「あれも書きたい、これも書きたい」となるかもしれませんが、その気持ちはグッとこらえて、自分の考えを論理的に伝えることに集中しましょう。
ちなみに「イシューからはじめよ」を読んだことがない人は、名著なので一度読んでみてください。
フレームワークを抑えた論理展開
問い(イシュー)が固まったら、問いに対する答えをどのように論じていくかを考えます。
論じ方のコツとしては、フレームワークに沿って考えていくことが前提となります。以下、有名なフレームワークの例です。
MECE
MECE(ミーシー)とは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略で、日本語では「お互いに重複せず、全体に漏れがない」という意味になります。
- Mutually(お互いに)
- Exclusive(重複せず)
- Collectively(全体に)
- Exhaustive(漏れがない)
要するに「モレなく、ダブりなく」ということですね。検討すべき要素の洗い出しをする際に、MECEは重宝されます。
ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーはMECEの発展版のようなもので、要素間の階層構造を整理するのに使われます。
主張したい結論(親要素)が正しいという根拠(子要素)をピラミッド上に組み立てて行くことからピラミッドストラクチャーと呼ばれています。同じような目的で使われるフレームワークとして、ロジックツリーというものもあります。
より深く検討したい場合は根拠(子要素)の下に、具体例(孫要素)を置くこともあります。
帰納法/演繹法
帰納法/演繹法は論理的推理論法の1つです。いずれも事実が正しいということを論理的に主張・理解するためのものですが、考え方のプロセスに違いがあります。
帰納法は「さまざまな事実や事象に基づいて、傾向や結論を出す」考え方なのに対し、演繹法は「一般的な事実や普遍的なセオリーに基づいて、傾向や結論を出す」考え方です。
思考に磨きをかける
問いを定めて、論理を組み立てたら、今度はその思考にさらに磨きをかけていきます。
一度の思考で正解までたどり着けることなんてそうそうありません。同じ問いに対して何度も考えを重ねて、構造を考え直し、より確実な根拠を探っていきます。
So What?(抽象化:つまり?)とWhy True?(具体化:本当に?)を何度も何度も繰り返していくことで、より強固なピラミッドが出来上がります。
DAY4レポートの進め方【構成の型と手順】
「レポートの例を見たい」と検索する人は多いのですが、ほかの人の回答をなぞっても、自分の考えとして筋道を説明できなければ評価にはつながりません。ここでは、どの課題文にも当てはめられる構成の型と、提出までの進め方を紹介します。
構成の型
| 順番 | 書くこと | 見直すポイント |
|---|---|---|
| 1. 問いの確認 | 課題文が求めている問い(イシュー)を一文で書く | 課題文の言葉で書けているか。自分の書きたいテーマに問いをすり替えていないか |
| 2. 結論 | 問いへの答えを最初に書く | 結論が問いにそのまま答えているか |
| 3. 根拠 | 結論を支える理由を、重なりと漏れがないように2〜3個並べる | MECEになっているか。根拠をまとめると「つまり(So What?)」で結論に戻るか |
| 4. 事実 | 根拠ごとに、ケースの記述や数字で裏付ける | 「本当に?(Why True?)」に答えられるか。事実と自分の推測を分けて書いているか |
| 5. 別の見方 | 前提が違う場合や反対の立場から見た場合を検討する | 結論に都合の悪い事実を無視していないか |
| 6. まとめ | 結論と、そこから導かれる打ち手を書く | 冒頭の結論と食い違っていないか |
提出までの進め方
- 課題文を読み、問いを一文で書き出す
- 結論の仮説を先に決め、根拠をピラミッドストラクチャーで並べる
- ケースから、根拠を裏付ける事実を拾う
- 書き上げたら時間をおき、So What? と Why True? で読み直す
- 最後に、文字数・形式・提出期限など課題の指示を満たしているか確認する
レポートの課題文や形式の指示は、受講するクラスの案内に従ってください。この記事では課題の模範解答やケースの内容は扱いません。
最高点のその先へ行く答え
上記の書き方を実践すれば、少なくとも平均点くらいまでは届くはずです。しかしながらあなたのゴールは平均点、いや最高点のさらに先にあるはずです。
ここからはレポートで最高点を取るより先の目標、クリティカルシンキング講座で学んだ内容を「どうやってあなたの仕事で活かすか」ということについて解説します。
自分のアタマで考える癖をつける
クリティカル・シンキング講座であなたは学んだはずです。自分のアタマで考える重要性を。
考える習慣には論理性はありません。ただの習慣です。その分、継続して考えることが求められるのでしんどいですが、クリティカルシンキングの本質は「疑うこと」なので、人から言われたことを鵜呑みにせずに「本当にそうだろうか?」と自分のアタマで考えることが重要です。
ちきりんさんも同じことを言っています。
インプットを続ける
講座の修了は終わりではなく始まりです。講座では「考え方の基礎」を学んだでしょうが、知識がなければいくら考え方を知っていても無意味です。また、考え方も常に洗練させていく必要があります。
講座修了後も学べるようにグロービスでは書籍やアプリを出しているので、しっかりインプットを継続するようにしましょう。
【アプリで学習】GLOBIS 学び放題
クリティカル・シンキングを含むビジネス動画が見放題のサービスです。2026年10月3日時点の公式サイトでは20,000本以上の動画があり、料金は年間プランで1ヶ月あたり1,700円(税込)からとなっています。
グロービスのビジネススクールで教えている内容とまったく同じとまではいきませんが、グロービスが持つ知見を注ぎ込んだアプリとなっています。
7日間の無料体験があり、登録から5日後の23時59分までに解約すれば料金はかかりません(GLOBIS 学び放題の公式サイト)。一度試してみるのをおすすめします。
【本で学習】グロービスMBAクリティカル・シンキング
グロービスMBAシリーズから出版されている「クリティカル・シンキング」(改訂3版、ダイヤモンド社)です。
クリティカル・シンキングの学習本として長年愛されており、本質的なクリティカル・シンキングを繰り返し頭に定着させたい人におすすめです。
アウトプットを続ける
「考え方」と「知識」が身についたら、次は「発信(アウトプット)」です。
日々の仕事だけでなくプライベートの意思決定でも活用する機会はあります。自分の人生を良くするために、クリティカルシンキングを使い込みましょう。
日常的に使うことでクリティカルシンキングで考える癖がつき、あなたの仕事レベルが格段に高まります。ここまで来ると会社もあなたに投資して良かったと思えるでしょう。
まとめ
今回は「クリティカルシンキングレポートの書き方」「最高点を取りたい人が知っておくべきこと」「最高点のその先に行くには?」について解説しました。
レポートの点数に惑わされているようでは、そもそもクリティカルシンキングとしてはまだまだです。「そもそもなぜこの講座を受けているのか?」という自分自身への疑いの目を持って、レポート提出や講座の先にある目的に向かって突き進んでいただけると幸いです。
では、また。




