実は、家事代行タスカジとグロービスの間には、「グロービスのケース課題で取り上げられる」「タスカジ社にグロービス卒業生が在籍」などの繋がりがあったりします。
それもあってか、グロービス知見録に家事代行タスカジのインタビュー記事があったので、概要と感想をレビューしたいと思います。
というわけで今回は、
- 家事代行タスカジとは?
- タスカジが成長した理由?
- タスカジがさらに成長するためには?
というテーマで解説します。
家事代行タスカジとは?
タスカジは「家事代行のマッチングサービス」です。
CaSyなどのように、業者で雇用しているスタッフではなく、タスカジに登録している家政婦さん(タスカジさん)に家事を代行してもらう仕組みになっています。
会社で雇用したスタッフではなく、あくまでタスカジに登録した家政婦さんに働いてもらうことで、人件費や事務所などの固定コストを抑えて運営ができますね。
また、タスカジで働く家政婦(タスカジ)さんにも、自分の予定に合わせて自由な働き方ができるというメリットがあります。働く時間に縛られないというのは、正社員で働けない人にとっては大きなポイント。
ユーザー目線でもタスカジは一般的な家事代行サービスとは違うモデルとなっており、自分で家政婦さんを選べるという天で他社と差別化ができています。
タスカジが成長した3つの理由
さて、それでは話をグロービスのタスカジインタビュー記事に戻りましょう。
インタビュー記事で直接は言及されていませんが、私の方で読んだところ、タスカジが成長した要因は大きく3つありそうだったので解説します。
家事「パートナー」を探す場を提供している
繰り返しになりますが、CaSyなどの家事代行サービスは、自社でスタッフを囲い込み、「casyのスタッフ」として依頼者宅へ訪問します。
このときに求められるのは、誰が行っても均質なサービスを提供する「casyスタッフ」です。
これに対し、タスカジ】では、1人ひとりのスタッフ(タスカジさん)が提供するサービスが異なります。スタッフ側もユーザー側も提供するサービスが異なるのをわかっているため、ユーザーによるスタッフの選別が行われます。
つまり、タスカジでユーザーが探しているのは家事代行サービスではなく、自分の生活を豊かにしてくれる「家事代行パートナー」を探しているということになります。
どこの家庭にもその家独自のルールがあるものです。casyでももちろんある程度こちらの要望を聞いてくれるでしょうが、リピートがかかっているタスカジさんに比べれば、当然ホスピタリティに差がつきます。
「均質なサービス」ではなく、「我が家だけの家事代行パートナー」を見つけられるのが、タスカジの強みの1つです。
タスカジさんと直接やりとりができる
タスカジでは、Webサービス上で申し込んだときからタスカジさんと直接やり取りをして、訪問日時や仕事内容をすり合わせることができます。
通常の家事蛇行サービスだとやり取りをするのは運営局の方ですが、タスカジではスタッフ(タスカジさん)と直接やりとりできるので、より多くの人間性を知った上でお仕事を依頼することが可能。
プライベートが詰まった家の中なので、どうせなら信頼できる人にお願いしたいですよね。人間性は細部に宿ると言いますから、最初から最後まで本人と連絡をとってみて、その上でまた同じ人に依頼したいとなるのは大いにありえそうですよね。
口コミが家事品質を高める
通常この仕組みだと、家事レベルの低い家政婦が増えて、サービスの品質が落ちてしまうのではないかという懸念が生まれます。しかしタスカジではそのような事態も予測し、口コミ機能を導入しました。
口コミ機能はどの業界でも自浄作用として働きます。私たちはAmazonで商品を買うとき、あるいは何かのサービスを利用したり、会社や学校を選んだりするときに「口コミや評判」をとても気にしますよね。
このように、消費者側が「口コミ」を気にする限り、サービス提供者側も「口コミ」を気にせざるを得ないのです。結果として、タスカジさんたちも自分が選ばれるように口コミを気にするようになり、家事の品質も向上し、ユーザー満足度高まり、リピーターが増加します。
この仕組み何がすごいって、運営局側では特に何もせずとも勝手に家事品質が上がっていくということなんですよね。casyなどの雇用型家事代行サービスだと、自社でコストを払ってスタッフを育成しないといけないですが、タスカジのモデルだとノーコストで勝手にスタッフが成長していってくれます。
手間をかけずに品質が上がる仕組みというのは、サービスを拡大させる上でとても大きな強みです。
タスカジが今後さらに成長するには?
他の家事代行サービスと上手く差別化をして、ここまで成長してきたタスカジ。
ここから更に事業として成長、拡大していくにはどうすれば良いのでしょうか?
個人的に感じたことをまとめてみたので紹介します。
サイト・アプリのUXを高める
タスカジのサイトははっきり言って使いにくいです…。
これはとても惜しい(もったいない)ことで、せっかくリピーターになりそうな人がいても、サイトが使いにくいことによって「やっぱりいいわ…」となって離脱する可能性があるからです。
タスカジさんの検索機能を充実させる、プロフィールページのUIを改善する、トップから予約までの導線を最適化するなど、パッと思いつくだけでもできる施策が色々あります。
タスカジさんの拡充
検索機能を使って最寄り駅のタスカジさんを検索してみましたが、数人しかいませんでした…。
ほとんどのタスカジさんが23区内に集中しており、地域によっては交通費だけで数千円かかってしまう始末。
2018年時点のタスカジさんが1,300人らしいので、現在はおよそ2,000〜3,000人ほどでしょうか。
最低でも10,000人はいないと、依頼主側のユーザー体験に支障が出るような気がしています(特に地方)。
競合優位性
家事代行は、ビジネスモデルとしては参入しやすく、特に地域密着にすることでスモールビジネスとして成立します。
ここからタスカジがさらにシェアを伸ばすには、より競合優位性を伸ばして、消費者に選ばれる理由を作る必要があるでしょう。
個人的には、依頼主側もスタッフ側も、もっと身近に受発注できるようになるといいなと思っています(日々の軽い掃除なら、初心者でもできるはず)。
まとめ
今回は「家事代行タスカジとは?」「タスカジが成長した理由?」「タスカジがさらに成長するためには?」というテーマで解説しました。
タスカジは個人的にも今後どんどん伸びていってほしいサービスの一つです。家事をしたい人としたくない人がもっと気軽に助け合えるようになると良いですね。
では、また。