Google Apps Scriptは無料で使える業務効率化ツールとして非常に人気ですが、利用にあたっていくつか制限事項があります。
制限に引っかかってしまうとスクリプトが実行されないので、制限に引っかからないよう事前に対策をすることがが大切です。
当記事では、
について解説します。
Google Apps Scriptの制限は有料版でもある
Google Apps Scriptは基本無料で使えるツールですが、「別で有料課金すれば制限を解除できるんじゃないの?」という声もあります。
結論から言うと、GASの制限は有料版でも消えません。
有料版のGASには「G suite」と「Early Access」という2つのプランがありますが、どちらのプランでも、完全にGASの制限を解除することはできないようです。
しかしながら有料版にすれば、制限が緩和されることはあるようなので、今回はその当たりも含めて詳しく解説していきますね。
Google Apps Scriptで注意すべき制限は4つ
Google Apps Scriptで注意すべき制限は、大きく下記の3種類があります。
- 実行時間制限
- 実行回数制限
- トリガー数の制限
- ファイル容量制限
各制限について、1つずつ解説します。
実行時間の制限
1つ目の制限が「実行時間の制限」です。
1度のスクリプトに処理を集中させるのではなく、複数のトリガーで処理を行うようにしましょう。スクリプト実行時間6分は、以外とすぐに到達してしまいます。
なぜかいつも途中でスクリプトが止まっているという方は、実行時間の制限に引っかかっているのかもしれません。
無料アカウント | G Suite | Early Access | |
---|---|---|---|
スクリプト実行時間 | 6分/実行 | 6分/実行 | 30分/実行 |
カスタム関数実行処理 | 30秒/実行 | 30秒/実行 | 30秒/実行 |
実行回数の制限
2つ目の制限が「実行回数の制限」です。
無料版、有料版ともに、1日および同時実行数に制限が設けられています。
制限に引っかからないように、可能であれば日にちや時間をずらしながらトリガーを設定するようにしましょう。
無料アカウント | G Suite | Early Access | |
---|---|---|---|
カレンダーイベント作成数 | 5,000/日 | 10,000/日 | Flexible |
コンタクト作成数 | 1,000/日 | 2,000/日 | Flexible |
ドキュメント作成数 | 250/日 | 1,500/日 | Flexible |
メール受信者数 | 100/日 | 1,500/日 | 1,500/日 |
メールの読み書き(送信除く) | 20,000/日 | 50,000/日 | Flexible |
グループの取得 | 2,000/日 | 10,000/日 | Flexible |
JDBC 接続 | 10,000/日 | 50,000/日 | Flexible |
JDBC 接続の失敗 | 100/日 | 500/日 | 500/日 |
プレゼンテーションの作成数 | 250/日 | 1,500/日 | Flexible |
プロパティの読み書き | 50,000/日 | 500,000/日 | Flexible |
スプレッドシートの作成数 | 250/日 | 3,200/日 | Flexible |
トリガーによる総実行数 | 90分/日 | 6時間/日 | 6時間/日 |
URL Fetch コール数 | 20,000/日 | 100,000/日 | Flexible |
同時実行数 | 30 | 30 | 60 |
トリガー数の制限
Google Apps Scriptでは自動でスクリプトを起動する「トリガー機能」がありますが、トリガーを設定できる数に制限があるようです。
トリガーの制限数については、無料版と有料版で差はありません。
また、1スクリプトにつき1ユーザーが20トリガーまでという意味ですので、ユーザーやスクリプトが別になれば、トリガーの制限数もリセットされます。
無料アカウント | G Suite | Early Access | |
---|---|---|---|
トリガー | 20/ユーザー/スクリプト | 20/ユーザー/スクリプト | 20/ユーザー/スクリプト |
ファイルの容量制限
3つ目の制限が「ファイルの容量制限」です。
あまりにファイルの容量が大きいと、メールで送ったりコピーしたりといったことができないので注意しましょう。
特に画像ファイルは高画質だとほとんどアウトです。
無料アカウント | G Suite | Early Access | |
---|---|---|---|
メール送付ファイル数 | 250/メッセージ | 250/メッセージ | 250/メッセージ |
メールの本文サイズ | 200kB/メッセージ | 400kB/メッセージ | 400kB/メッセージ |
メールの受信者数 | 50/メッセージ | 50/メッセージ | 50/メッセージ |
メールの添付ファイルの総サイズ | 25MB/メッセージ | 25MB/メッセージ | 25MB/メッセージ |
プロパティ値のサイズ | 9kB/値 | 9kB/値 | 9kB/値 |
プロパティの総サイズ | 500kB/プロパティストア | 500kB/プロパティストア | 500kB/プロパティストア |
URL Fetch レスポンスサイズ | 50MB/コール | 50MB/コール | 50MB/コール |
URL Fetch ヘッダー数 | 100/コール | 100/コール | 100/コール |
URL Fetch ヘッダーサイズ | 8kB/コール | 8kB/コール | 8kB/コール |
URL Fetch POST サイズ | 50MB/コール | 50MB/コール | 50MB/コール |
URL Fetch URL 長 | 2kB/コール | 2kB/コール | 2kB/コール |
まとめ
今回は「Google Apps Scriptで注意すべき3つの制限」を紹介しました。
GASは便利なのでついついスクリプトやトリガーを増やしてしまいがちですが、「実行回数」や「実行時間」「ファイル容量」などいくつか制限があります。
制限に引っかかることは滅多にないかと思いますが、心当たりのないエラーに遭遇した際は、「制限」によるエラーを疑ってみてください。
では、また。