「業務効率化のため」「プログラミング入門の勉強として」など理由はさまざまですが、近年Google Apps Script(GAS)を勉強する人が増えてきています。
しかしphpやHTML・CSSと違い、GASの教材や情報は世の中に少なく「どのように勉強を始めれば良いかわからない」「そもそもGASで何ができるのかわからない」という人も少なくないでしょう。
そこで当記事では、
- GASとは何か
- GASがプログラミング初心者におすすめな理由
- GASでできることは何か
- GASの活用例3選
- GASでよくある質問5つ
というテーマで解説します。
Google Apps Script(GAS)とは?
「そもそもGASって何?」という方もいると思うので、まずはざっくりGASの概要について解説しますね。
Google Apps Script(GAS)とは、Googleが提供しているJavascriptをベースにして作られたプログラミング言語です。
Googleのサーバー上(Google Drive上)で動作するのでサーバーや開発環境の用意は必要なく、実行するにはアクティブなGoogleアカウントが1つあればOKです。
GASがプログラミング初心者にこそおすすめな理由
GASはプログラミング初心者にこそおすすめしたいプログラミング言語です。
上記のように考える理由は、大きく3つあります。
- サーバー・開発環境を必要としない
- Javescriptベースの記述でコーディングできる
- Gmailやスプレッドシートなどすぐ業務に活かせる
サーバー・開発環境を必要としない
繰り返しになりますが、GASはサーバーや開発環境を用意しなくてもすぐに実装できます。
phpやHTMLを始めとした通常のプログラミング言語であれば、サーバーを立てたり自分のPCで開発環境を用意する必要があり、ここでつまづき挫折するプログラミング初心者も少なくありません。
GASは誰でも持っているであろうGoogleアカウントが1つあればすぐに始められるので、初心者でも始めやすいプログラミング言語です。
Javescriptベースの記述でコーディングできる
GASはJavascriptをベースにできたプログラミング言語です。
そのため文法や型などがほとんどJavascriptと同じになっています。
つまりGASを勉強すれば、自然とJavascriptの勉強にもなるので一石二鳥というわけですね。
javascriptはフロイトエンドのプログラミングには欠かせない技術なので、習得しておいて損のないプログラミング言語です。
Gmailやスプレッドシートなどすぐ業務に活かせる
GASはGoogle製品なので、Gmailやスプレッドシートとの連携が容易です。
非エンジニアであってもGmailやスプレッドシートを使う人は多いでしょうから、phpやHTMLと違って勉強した内容をすぐに業務に活かせるのも大きなメリットですね。
特に上記のツールで多くの手作業が発生している人にとっては、GASの学習は仕事のやり方を根本から変える可能性も秘めています。
Google Apps Scriptでできること
GASの最大の特徴は、他のGoogle製品と簡単に連携できることです。
連携できるGoogle製品の一例をあげると以下の通りです。
GASで連携できるGoogle製品一覧
- Gmail
- Googleカレンダー
- Google Drive
- Googleスプレッドシート
- Googleドキュメント
- Googleスライド
- Googleフォーム
- Googleマップ
他にも、API接続することで他のツールとの連携もできます。
GASとAPI接続できる他社ツール
- Slack(スラック)
- trello(トレロ)
- ChatWork(チャットワーク)
- asana(アサナ)
- freee(フリー)
Google Apps Scriptの活用例3選
GASを使った具体的な活用例を3つ紹介します。
詳細記事ではサンプルコードも公開しているので、コピペすればすぐ使えます。
スプレッドシートを操作する
まずはGASの基本中の基本「スプレッドシートの操作」です。
スプレッドシート操作は単体でも強力ですが、他ツールと連携することで本領を発揮します。
例えばGmailにテンプレの文面で届くメールの内容をスクレイピングしたり、Webサイトをスクレイピングしてその結果をスプレッドシートに出力したりなどです。
考えればキリがないほど活用方法が無限ですが、いずれもGASでのスプレッドシートの基本操作ができていれば誰でも実装可能。
GASを勉強するなら、スプレッドシート操作は1番最初に身につけたいスキルです。
GASとスプレッドシートの連携についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
Webスクレイピングをする
GASはWebスクレイピングもできます。
せどりや競合調査などで本領を発揮するのではないでしょうか。
毎日決まった時間にAmazonの商品価格をスクレイピングしたり、競合サイトの更新内容をチェックしたりすることもできます。
もちろんこれらのことは他のツールを使って実現することもできますが、柔軟に取得するデータを設定したい(しかも無料で)といった場合には、GASでWebスクレイピングした方が使いやすいでしょう。
GASを使ったWebスクレイピングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
Gmailの送信・届いたメールの抽出
GASを使えば自分のGoogleアカウントから誰かに自動でメールを送ったり、届いたメールデータを取得したりすることもできます。
Gmailの操作は失敗すると全く関係ない人にメールを送ってしまうなどリスクも伴うので、実装する際には注意が必要です。
しかしながら同じような内容のメールを手動で送るといった手間がなくなるので、GmailとGASの組み合わせは業務効率化をする上で大きな可能性を秘めています。
届いたGmailの取得においては、通知メールのスクレイピングなどで大きな力を発揮するでしょう。
GASとGmailの連携についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
GASについてよくある質問5選
GASについてよくある質問を5つピックアップしました。
Q1.インストールはどうやるの?
GASのインストールはとても簡単です。
以下の記事で画像付きで解説しているので参考にしてみてください。
Q2.GASのリファレンスはどこにあるの?
GASのリファレンスはGoogleの公式サイトで確認することができます。
ただし英語&ページ構成が複雑なので、日本語で読みたい人や、1ページでまとめて見たい人もいるでしょう。
そのような場合には、1記事に日本語でリファレンスをまとめている下記の記事がおすすめです。
Q3.GASにトリガー・スケジューラ機能はあるの?
GASにはデフォルトでトリガー機能があります。
実行タイミングや頻度などを、自由度高く設定することができます。
詳しくはこちらの記事で設定方法をご確認ください。
Q4.使用上の注意や制限はある?
GASにはいくつか制限事項があります。
普通に使っていれば滅多に引っかかることはないでしょうが、心配な人は以下の記事で注意事項をまとめているので確認してみてください。
Q5.GASの勉強はどう進めていけば良い?
GASの勉強の進め方ですが、以下の手順での学習をおすすめします。
- GASの入門書を1冊読む
- 実務に役立つプログラムを実装する
- GASの専門書を読む
まずは本を軽く読んで、その後は実践あるのみですね。そして技術的にある程度行き詰まってきたら、GASの専門書を読んでレベルアップすれば良いでしょう。
GASの学習書についてはこちらの記事で紹介しています。
あるいは軽くでもプログラミング経験のある人は、いきなり専門書を購入しても良いかもしれません。
GASの専門書は2024年4月現在だと、プランノーツ社高橋宣成さんの「Google Apps Script完全入門」が1番詳しく解説してくれています。
まとめ
今回は「GASとは何か」「GASがプログラミング初心者におすすめな理由」「GASでできることは何か」「GASの活用例3選」「GASでよくある質問5つ」というテーマで解説しました。
GASでできることは数多くあります。
技術的にはそこまで難しくありませんので、この機会にぜひ学習してみてはいかがでしょうか?
では、また。