人間の知的能力を測る指標として、IQ(知能指数)が語られることが多いですが、近年では、IQよりもEQ(心の知能指数)の方が重要ではないかという声があります。
海外の研究では、幼少期にIQが高かった子供よりも、EQが高い子供の方が経済的にも人間関係的にも豊かだったという結果もあります。
当記事では、
- EQが高い人に共通する5つの特徴
- EQを高める7つの方法
について解説します。
EQ(心の知能指数)とは?
EQは心の知能指数とも言い、人の感情に対する理解の深さを表したものです。一般的には「自他の感情を正しく認識し、自分の感情をコントロールしたり、相手の感情を意図する方向に促したりする能力」と定義されます。
EQが高い人は自分だけでなく他人の感情も注意深く知覚しており、自他の感情を踏まえて適切な言動をすることができます。
IQとEQを比較すると、下記のようになります。
- IQ(知能指数):情報の処理や記憶能力を測る指標
- EQ(心の知能指数):自他の感情を知覚・制御する能力を測る指標
なおEQと似た言葉で、EI(感情知性)という単語がありますが、一部の海外でEQのことをEIと呼んでいるだけで、意味的にはほとんど一緒だそうです。
EQが高い人に共通5つの特徴
EQが高い人には、共通して以下のような特徴が見られます。
いずれも、自分と相手の感情を深く理解していないと実現できないでしょう。
共感力がある
EQの高い人は「人の感情に共感する力」が高いです。
「嬉しい」「楽しい」「悲しい」「困っている」などの感情を敏感に察知して、自分の感情が救われる言動をしてくれます。
自分のことを理解してくれているように感じるので、EQが高い人の側にいると自然と安心します。
柔軟で落ち着いた対応
EQが高い人は、どんな危機的な状況でも「柔軟で落ち着いた対応」ができます。
余裕がなくなった状態で行動しても、良い結果を生まないことを知っているからです。
周囲にいる人の感情の焦りを和らげて、問題を解決するための具体的な対応方法を提示してくれるのがEQが高い人の特徴です。
聞き上手で話しやすい
EQが高い人は「聞き上手で話しやすい」です。
言葉に詰まれば、話を進めるための「相の手」を入れてくれ、簡潔に説明できなくても、話の意図を察知して要約してくれます。
体全体から「話しやすいオーラ」が出ており、人には言えない悩みも、EQの高い人にはついついしてしまうのではないでしょうか。
自分のことを深く知っている
EQが高い人は「自分のことを深く理解」しています。
自分の好きなこと、嫌いなこと、得意なこと、苦手なことへの自己分析が完了しているので、EQが高い人はできるだけ自分の強みが活かせる場面で活躍できるように振る舞えます。
自分の価値が発揮できる場面では積極的になり、自分の価値が発揮しにくい場面では目立たないようにすれば、、他人から見た印象が良くなりそうですよね。
また、自分のことを客観的に認知することを「メタ認知」と言います。メタ認知については「メタ認知能力とは?意味や例をわかりやすく解説【人生が変わる】」で意味や活用例について解説してるので、良かったら読んでみてください。
自他の境界線がはっきりしている
EQが高い人は「自他の境界線」がはっきりしています。
他人の話はあくまで「他人の話」として参考程度に聞けますし、自分の意見を「他人へ無理に押し付ける」ようなこともしません。縁あって人生で関わりを持ってはいますが、あくまで別々の人間、他人の人生という前提のもと関わりを持ちます。
お互いに気持ちの良い距離感を保ってくれるので、EQが高い人との付き合いは、疲れないしちょうど良いのです。
EQを高める7つの方法
EQを高めるには、以下7つの方法がおすすめです。
1つずつ具体的なやり方を解説しますね。
自分の内面を深く見つめる
EQを高めるには、自分のことを深く知る必要があります。
「自分はどんな人間なのか」「好き嫌い、得意不得意、長所短所はなにか」綺麗事なしで、等身大の自分を知りましょう。
感情は嘘を付くことができませんから、EQの高い人が自分や他人の感情を敏感に察知できるのは、自分にも他人にも嘘のない姿勢で向き合っているからです。
自他の境界線を意識する
「自分の意見を他人に押し付けていなかっただろうか?」自分の胸に手を当てて聞いてみてください。
自他の境界線を引くのが下手だと、他人に傲慢と思われたり、あるいは「自分の意見がないのでは?」と、良くない印象を持たれやすくなります。
議論や会話が熱くなってきたら、相手の境界線に自分が侵入していないか注意しましょう。
良いコーチを見つける
尊敬できる良いコーチからの助言は、とても参考になります。コーチングや認知療法などは「自分という人間」を客観的に分析してもらえる良い機会です。
EQが高そうに見える人でも、すべて自己分析によって自分を知っているわけではありません。上司や部下、友だちや家族など、身近な人から定期的に自分はどういう人間に見えるかという情報をインプットしています。
「自分から見た自分」と「他人から見た自分」をかけ合わせることで、より「本当の自分」に近づくことができます。
自分の認知バイアス(色眼鏡)に気づく
人間は「思い込みをしやすい」生き物です。知らず知らずのうちに認知バイアス(いわゆる色眼鏡)がかかった世界を見てしまいます。
思い込んでいる状態で「自分は思い込んでいる」ことに気づくのは難しいですが、EQが高い人は自分の認知バイアスに気づくのがとても上手いです。
思い込みに気づく思考法としては、「クリティカルシンキング(批判的思考)」がおすすめです。当たり前は疑うようにしましょう。
言動の意図に気を配る
他人の感情は、ほんのささいなところに現れます。身近な人のコミュニケーションでも、言動の意図に気を配るだけで、相手の感情が見えやすくなります。
あなたも相手に何かを伝えたいときには言葉にして伝えると思いますが、言葉にすることで、感情を始めとした大切な情報が抜け落ちてしまうことがあるでしょう。
相手の抜け落ちてしまった情報は、言動の意図に気を配ることで拾ってあげることができます。
適切な言葉で伝える
相手からのメッセージは、言葉以外の言動からも意図を察することが大切ですが、自分から相手へのメッセージは言葉がすべてと思いましょう。
ミスリードされない言葉使いができる人は、自然と普段のコミュニケーションも円滑でスマートになります。
大人になってからは、義務教育の国語の時間では習わなかったような「語彙力」が必要になるのです。
周囲に感謝の気持ちを抱く
相手の感情に耳を傾けるには、自分の感情も耳を傾けやすいように整えてあげる必要があります。
自分の感情をEQが高い状態にする1番の方法は「周りの人や環境に感謝」することです。
周囲に心から感謝の念を抱く人は、自然と自他の感情へのアンテナが育てられ、EQが高くなっていくでしょう。
まとめ
今回は「EQが高い人に共通する5つの特徴」「EQを高める7つの方法」について解説しました。
EQ(心の知能指数)の高い人は、人の心に共感し、人の心を動かすことに長けています。その力は、人生のあらゆる局面で役に立つでしょう。
あなたもEQを高めて、良好な人間関係の中で豊かな人生を過ごしてください。
では、また。