EQ(心の知能指数、EI:感情知性)が高いと人生が豊かになると言われていますが、逆にEQが低いとどうなるんだろうと気になった人はいませんか?
職場にいるあの人や、あなたの身近にいるあの人、もしかしたらあなた自身が「EQが低い人」かもしれません。
当記事では、
- EQが低い人の特徴
- EQが低くなる原因
- EQを高める方法
について解説します。
EQが低い人が持つ5つの特徴
EQが低い人には、以下の5の特徴があると言われています。
感情的で、怒りっぽい
EQが低い人は自分の感情をコントロールするのが苦手で「気に入らないことがあるとすぐに怒る」という特徴があります。
人間の脳には「感情」を司る部位と「理性」を司る部位がありますが、EQが低い人は「理性」を司る部位の活動が活発でないことがあります。
そのため少しでも自分の感情の気持ち悪さを取り除こうとして、自分の感情をすぐ表に出したり、思い通りにならないことがあると他人のせいにしたりします。
共感力が低く、人の話を聞かない
EQが低い人は共感性が低いため、他人が持つ「話したい、伝えたい」という感情よりも、自分の「話したい、伝えたい」という感情を優先させます。
EQが低い人の典型的な例としては、誰かが話をしているときにその話が終わらないうちに「否定的な反対意見」を話し始めることです。
ビジネスで重大な意思決定をする場なら仕方ないですが、友だちやパートナーにそんなことをされたら、正直かなり気分が落ちてしまいますよね。
協調性がなく、自己中心的
EQが低い人は「協調性に欠け、自己中心的な行動が目立つ」と言われています。
EQが低い人は他人の感情に鈍感で、自分の感情を優先させる特性があるので、当然ながら「人よりも自分」という意識が強くなります。
その結果、周囲の意向に関係なく自分の都合を優先させることが増え、客観的に見ると「協調性のない自己中心的な人」に見えてしまいます。
柔軟性に乏しく、寛容さがない
人間の脳は「初めてのこと」に対してストレスを感じるようにできています。そのストレスを乗り越えることで人は成長するのですが、EQが低い人はこのストレスを許容できません。
その結果、決められた対応、自分にとっての常識の範囲内でしか発言・行動ができず、柔軟性・寛容さが乏しくなってしまいます。
柔軟性・寛容さに欠けた対応というのは自己中心的な言動にもつながります。
責任感に欠け、愚痴が多い
EQが低い人はとにかく「自分の心が気持ち悪いと感じること」が嫌いです。感情を違和感を抱えている状態とも言えます。
そのため、自分で責任を持つという心意気(責任感)に欠け、何かあったときには他人にその責任をなすりつけようとします。
「自分は当てはまらない」という人でも、一応その場では平謝りして、しかし後で誰かに愚痴や不平不満を言っていることはありませんか?
EQが高い人なら「7つの習慣」よろしく、人生に起きるすべてのことは自分の責任と思うでしょう。
EQが低い3つの原因
EQが低い人には、EQが低くなってしまった原因があります。
人間の脳の構造的に、以下3つのいずれかが原因となり、EQが低くなってしまうそうです。
遺伝的な特性
メンタリストのDaiGoさんによると、人間の性格の半分は遺伝で決まるそうです。これは生まれつき持って生まれたDNAや脳の構造が、人間の性格の半分を決定していることを意味します。こう聞くと、親や祖父母の遺伝的な影響により生まれつきEQが低いというのは、少し不公平な気がするかもしれません。
しかし逆に言えば、性格も残りの半分は後天的に変えられることも意味するので、性格のすべてを遺伝のせいにはできないでしょう。また、EQは低いかもしれませんが、別の分野では素晴らしい才能を持っている可能性もあるので、そちらを重点的に伸ばすという考え方もできます。
生まれ育った環境
先ほど人間の性格の半分は遺伝で決まると言いましたが、残りの半分は何で決まるかと言うと、生まれ育った環境で決まるそうです。家庭環境や友人関係など、乳幼児期から青年期までの人間関係の中で、性格の残り半分が形成されていきます。
自分の情動(怒り、恐怖、悲しみ)が動いているときに、情動教育(感情を整理する方法を親や身の回りの人から学ぶこと)を受ける機会があればEQが高くなりますが、感情を整理する方法を教えてもらえなかったり、身の回りにいる人もEQが低いような振る舞いをする人が多いと、当人もEQが低いまま大人になる可能性が高くなります。
一時的に心にゆとりがない
人間の性格のほとんどは「遺伝」と「養育環境」で決まります。あと人間の性格を左右する要素としては、そのときの心理状態です。
例えば、徹夜続きで疲れていたり、お金がなくて生活が苦しくなっている状態だと、人は心の余裕がなくなり、共感性に欠けたり、自己中心的に見える発言や行動が多くなります。
このような場合は、少し休んだり、間を空けて気分を落ち着けてからコミュニケーションを再開すれば問題ありません。人間疲れたら、少し休むことが大切です。
EQが低いのは病気?
よく「EQが低いのは病気のせいだ!」という人がいますが、これは半分正解で半分不正解です。詳しく解説します。
ASD傾向があるとEQが低くなりやすい
ASD傾向のある人は他人から「EQが低そう」という印象を持たれることが多いようです。ASD傾向のある人は対人コミュニケーションが苦手な人が多く、場の空気を読んだり、相手の感情を読んだ言動をすることが苦手だからです。
ただし、あくまで上記のような傾向があるというだけなので、ASD傾向のある人が全員EQが低かったり、EQが低い人は全員ASD傾向があったりするわけではありません。そこだけご認識ください。
心の余裕を持とう
一部の病気ではEQが低くなりやすい傾向はありますが、それは稀なケースです(アメリカの研究では全児童の1.5%ほどの子供にASD傾向があるという結果が出ている)。
前述のようにEQは「遺伝」「環境」「ストレス」による影響が大きいので、まずはストレス要因を取り除いて心の余裕を持つことから始めましょう。
EQを高める方法
EQが低い人の特徴と、EQが低くなってしまう原因について理解したら、最後にEQを高める方法も知っておきましょう。
EQを高めるには主に以下7つの方法があります。
- 自分の内面を深く見つめる
- 自他の境界線を意識する
- 良いコーチを見つける
- 自分の認知バイアス(色眼鏡)に気づく
- 言動の意図に気を配る
- 適切な言葉で伝える
- 周囲に感謝の気持ちを抱く
いずれの方法も「1回やっただけ」や「1つやっただけ」だと、EQの底上げには繋がりにくいです。色々な方法を継続的に続けることでEQは育っていきます。いきなり全部やるとなかなか続けにくいと思うので、自分にとって始めやすいものから始めて、少しずつ継続・追加をしていくと良いでしょう。
各方法の具体的なやり方については下記の記事で解説してますので参考にしてみてください。
まとめ
今回は「EQが低い人の特徴」「EQが低い原因」「EQを高める方法」について解説しました。
EQが低いと、人生かなり損します。逆にEQを高めることができれば、仕事やプライベートなど、さまざまな面で人生を豊かにすることができます。
日常的に自他の感情に耳を傾けてあげるとEQは少しずつ育っていくので、未来の自分への贈り物と思って、今日から始めてみてはいかがでしょうか?
では、また。