メタ認知療法だけでうつ病を治すのは難しいですが、薬を用いた治療などとメタ認知療法併用することで、うつ病から回復したという人もいます。
当記事では「うつ病の人に試してほしいメタ認知療法」について解説します。
メタ認知療法とは
メタ思考療法とは医学用語だとMCT(Metacognitive Training)とも言われ「自らの認知バイアスに気づく訓練」として有効とされる治療法です。
メタ認知は「メタ認知的知識」と「メタ認知的活動」分けられ、一般的なメタ認知療法・メタ認知トレーニングでは主にメタ認知的活動の改善にフォーカスを当てています。
健常者向けのメタ認知トレーニングは「【メタ認知トレーニング】自分を思い通りにコントロールしよう」で解説してますので、良かったら参考にしてください。
うつ病の症状と思考傾向
現代では誰しもがなる可能性のある病「うつ病」。
うつ病は見た目には分からない病なので、自分が病気であることや、しんどい・辛い気持ちを抱えていることを他人に理解してもらいにくい病気です。
なんとなくは知っていると思いますが、うつ病になるとどのような症状があるのか、どのような思考に陥りやすいのか知っておきましょう。
朝から晩までネガティブな気持ち
うつ病になると、朝に目が覚めてから夜に寝るときまで、いつもなんとなくネガティブな気持ちになります。今までは「楽しい」と感じていたことにも興味が湧かなくなり、1日中ベッドの上でゴロゴロする日が増えます。
ここまで来ると、自然と生活における活動量が減り、日光を浴びる時間も短くなり、どんどん気分が落ち込んで負のスパイラルへと陥ります。こうして、人々はうつ病から抜け出せなくなるのです。
抑うつ的反芻に陥ると厄介
うつ病になると日常生活を送ることも困難になり、仕事やプライベートにも影響が出始めます。真面目な日本人は特にですが、仕事やプライベートに影響が出ると、自分で自分を責めて1人で苦しくなっていくことがあります。
このように、抑うつ的な思考を自分で繰り返し行ってしまうことを「抑うつ的反芻」と言い、抑うつ的反芻に一度陥ると、そこから抜け出すのはかなり困難です。
なぜ困難かと言うと、自分が抑うつ的反芻状態であることにも気づけないからです。見た目には分かりませんが、うつ病は恐ろしい病なのです。
メタ認知療法とうつ病
人の人生を内側から破壊する恐ろしいうつ病ですが、メタ認知療法はどのようにうつ病の症状へ介入していくのか。
メタ認知療法がうつ病に有効な状況と、メタ認知療法の活用法について解説します。
メタ認知的モニタリングがうつ病に効果的
メタ認知療法のうち、うつ病に特に有効とされているのが「メタ認知的モニタリング」です。
メタ認知的モニタリングとは「自分の感情を客観視すること」です。
抑うつ状態に陥っていると自分の感情が見えなくなる場合が多いですが、意識的にメタ認知的モニタリングをすることによって、自分の感情がどのようなものだったかを思い出したり、必要以上に抑うつ状態に陥っていることに気づいたりすることができます。
メタ認知的モニタリングでで抑うつ的反芻に気づく
メタ認知で特に有効な状態が「抑うつ的反芻状態」です。抑うつ的反芻から抜け出す1番の近道は、自分が抑うつ的反芻に陥っていることに気づくことだからです。
すぐにメタ認知を使って抑うつ的反芻状態から抜け出すのは難しいでしょうが、少しずつ慣れていくことでゆっくりと改善に近づいていきます。
まずは負のスパイラルに気づくことが大事
うつ病でネガティブな気持ちになったら無理やりポジティブになるのではなく、まずは自分の感情が負のスパイラルに陥っていないか確認しましょう。
自分の人生は自分だけのものなので、人に振り回されず、休息が必要なときはゆっくり休んで、元気が出たらもう一度歩き出しましょう。
メタ認知療法に関する本
今回はメタ認知が初見の人でも分かりやすいように、ぼくなりにアレンジしてメタ認知療法を紹介させていただきました。
この記事を読んで「メタ認知やメタ認知療法についてもっと知りたい!」と思った人は、「メタ認知の勉強におすすめの本16選【ビジネス・教育・脳科学】」に関する本をまとめて紹介しているので、良かったら見てみてください。
ちなみに、メタ認知療法の勉強をするなら、下記2冊の書籍がおすすめです。
メタ認知療法 うつと不安の新しいケースフォーミュレーション
うつ病のためのメタ認知トレーニング
まとめ
今回は「うつ病の人に試してほしいメタ認知療法」について解説しました。
うつ病は本当に恐ろしくて大変な病です。当記事で紹介したメタ認知療法だけで治そうとは絶対に思わず、必ず心療内科やカウンセリングなどを受診してください。
もしこの記事を読んでいるあなたがうつ病を患っているなら、少しでも気持ちが楽になる力になれたら幸いです。
では、また。