一般的にアスペルガーを抱える人はメタ認知が苦手と言われています。ぼく自身アスペルガーの気質があり、学生時代や社会人生活が始まったばかりのころは対人関係や仕事を進める上で苦労しました。
しかし、メタ認知の存在を知って実践したところ、少しずつ対人関係が改善し、仕事や私生活を円滑にすることができるようになりました。
当記事では、対人関係や学習効率の向上に効果的とされる「メタ認知と発達障害の1つアスペルガーとの関係性」について、ぼくの実体験も交えながら体系的に解説していきます。
アスペルガーとは?
アスペルガーとメタ認知の関係性を理解する上で、アスペルガーの症状について理解しておくことは重要です。
そもそもアスペルガーとはどういう症状があるのか、どういったことが苦手なのか、それによって日常生活のどのような場面に影響が出てくるのか、正しく理解しておきましょう。
アスペルガーは発達障害の1つ
アスペルガー(アスペルガー症候群)は、正式名称「ASD(自閉症スペクトラム障害)」と呼ばれる発達障害の1種類です。
自閉症スペクトラム障害と呼ばれるようになった経緯としては、もともと別々の病名で診断されていた「自閉症」と「アスペルガー症候群」の症状や診断基準があいまいだったり、症状が重複していたことから、連続体(スペクトラム)として考えるようになったことがきっかけのようです。
アスペルガー症候群と自閉症スペクトラム障害についてはリタリコ仕事ナビさんの「大人のアスペルガー症候群とは?症状や特徴、自閉症スペクトラム障害(ASD)との違いについて説明します」が参考になりました。
アスペルガーの人が苦手なこと
アスペルガーの人は、主に対人関係が必要な場面で苦手に遭遇することが多いです。具体的には、以下のようなことが苦手と言われています。
- 周りから見た自分を客観視すること
- 自他の境界線を正しく理解すること
- 自分の主張を正しく他者に伝えること
自分を客観視することが苦手
アスペルガーの人は自分を客観視して見ることが苦手です。自分の発言、行動、意思決定。それが人からどのように見られるのかを想像、客観視することが難しく、他人から見て「あれ?」と思われるようなことがしばしばあります。
自他の境界線を引くことが苦手
アスペルガーの人は自他の境界線を引くことが苦手です。自分の知っていることは他人も知っていると思い込んだり、他人に非難されると身を引き裂かれるような感覚に陥り、感情的になってしまうこともあります。
言葉にして伝えることが苦手
アスペルガーの人は自分の意見や主張を言葉にして人に伝えることが苦手です。自分の中で定義づけされている独特な言い回しをすることが多く、自分の意見が他者に伝わらないと感じる場面がしばしばあります。
アスペルガーと生きづらさ
このように、アスペルガーの人は対人関係で多くの悩みを抱えており「生きづらい」と感じている人が多いと言われています。
知らず知らずのうちに自分と他人の間に溝が生まれると、だんだんと対人関係が上手くいかなくなります。本人からすると「よく分からないけど、なんだかいつも人間関係が上手くいかない」という感じで、人間関係を持つのが億劫になり、人生かなり絶望的な気持ちになります。
メタ認知が発達障害・アスペルガーに有効
このように、アスペルガーの人は人間関係で多くの悩みを抱えているのですが、これらの悩み事、苦手なことを改善する方法として、ぜひともぼくは「メタ認知」をおすすめします。
メタ認知は人間関係の改善に効果あり
メタ認知とは「周りから見た自分を客観的に把握・予測し、それを踏まえて自分を制御していく一連の認知行動」を指します。
メタ認知ができている人は常に「周りから見た自分」を分かっているので、周囲から見ておかしなことをしてしまうことが少なくなります。
自分を客観視することが苦手なアスペルガーの人でも、「メタ認知」を鍛えることで自分を客観視できるようになるので、人間関係の改善が期待できます。
メタ認知能力はトレーニングで鍛えられる
さて、そんなメタ認知ですが、トレーニングを重ねることで鍛えることができます。
メタ認知のトレーニング方法については「【メタ認知トレーニング】自分を思い通りにコントロールしよう」の記事で詳しく解説しているので、メタ認知を鍛えて人間関係を良くしたいという人は参考にしてください。
メタ認知関連の本も増えてきている
最近ではメタ認知関連の本も増えています。
なかなかメタ認知関連の本がまとまった記事はなかったのですが、ぼくが「メタ認知の勉強におすすめの本16選【ビジネス・教育・脳科学】」にたっぷり16冊まとめたので、良かったら参考にしてください。
ビジネス系、教育系、脳科学系など分けてまとめてあります。
まとめ
今回は「メタ認知と発達障害の1つアスペルガーとの関係性」について解説しました。
アスペルガー気質の人だと分かると思いますが、自分を客観視できないとけっこう普段の生活が苦しくなります。ぼくも昔は自分を客観視して見ることが苦手で、今思うとかなり無理していたなぁと思います。
この記事を読んで「あれ?もしかして自分もそうかも?」と思った人は、ぜひ「メタ認知」を意識して生活をしてみてください。少しずつですが、見える世界が変わってきますよ。
では、また。