いま海外では感情知性(感情的知性)EIの重要性が高まっています。
一般的に知性とはIQ(知能指数)を指すことが多いですが、感情知性EIとはどのような知性なのでしょうか。
当記事では、
- 感情知性EIとは何か?
- 感情知性EIが高い人の特徴
- 感情知性EIを高めるトレーニング方法
- 感情知性EI診断テスト
について解説します。
感情知性EIとは?
感情知性EIの意味と定義
感情知性EIとはEmotional Intelligence(エモーショナルインテリジェンス)の略です。
「自他の感情を対象とした『認識能力』と『管理能力』」を意味し、わかりやすく言うと「自分の感情を認識してコントロールする能力と、他人の感情を認識してコントロールする能力」ということですね。
日本では感情知性EIよりも、心の知能指数EQの方が呼び方として一般的ですが、海外ではEQよりEIの方がよく使われるようです。
感情知性EIの4枝モデルとは?
感情知性EIには上記の定義の他に、「4枝モデル」と呼ばれるEIをさらに4要素に分解した能力の定義があります。
感情知性EIの4枝モデル
- 情動を正確に知覚する能力
- 思考を促進するために情動を利用する能力
- 情動とその意味を理解する能力
- 自己の情動を管理したり他者の情動に対応する能力
な、なるほど、、という感じですが、この定義まで正確に覚える必要はありません。
大事なのは厳密な定義を覚えることではなく、実生活で使えるように概念や考え方を理解して、自分のEIを高めることなのを忘れないようにしましょう。
感情知性EIが高い人の特徴3つ
感情知性EIが高い人の言動には、どのような特徴があるのでしょうか?
今回は3つの特徴について解説します。
自分の感情を認識してコントロールできる
感情知性EIが高い人が持つ特徴1つ目は、「自分の感情を認識してコントロールできる」です。
EIが低いと、自分の感情がいまどのような状態にあるかを認識していないので、怒りっぽくなったり、人に高圧的な態度を取ったりして、人間関係やビジネスを崩壊させる危険性があります。
常に感情の「客観視」と「自己コントロール」を欠かさないのが、EIが高い人の特徴です。
他人の感情を理解できる
感情知性EIが高い人が持つ特徴2つ目は、「他人の感情を理解できる」です。
このとき理解の元となる根拠は、人によっては論理的であったり直感的であったりとさまざまですが、結果としてその人の本当の感情を理解できているかどうかが重要なポイントになります。
自分の感情を認識してコントロールするのは1人でも訓練すればできますが、他人の感情を理解するには、実践を積むか、もともとEIが高い特性を持っているかしか方法がありません。
「自分以外の他人がどう思っているか」を正確に認識できているのが、EIが高い人の特徴です。
さりげなく他人の感情を動かす
感情知性EIが高い人が持つ特徴3つ目は、「さりげなく他人の感情を動かす」です。
他人の感情を理解できる高EIの持ち主から、さらにレベルの高いEIの持ち主になると、他人の感情を意図的に誘導することもできるようになります。
「この人はいまAという感情だから、感情をAからBに変えるには、Cという言葉をかければ良い」というように、自分がどのように振る舞えば、相手がどのように感じて、どのような感情を抱くのかを予測して行動や発言をするといった具合です。
誰も気づかないうちに誘導して、さりげなく他人の感情を動かしてしまうのが、EIが高い人の特徴です。
感情知性EIを高めるトレーニング方法3選
感情知性EIは対人関係に大きな効果を持つことがおわかりいただけたでしょうか。
ここからは感情知性EIを高めるためのトレーニング方法を3つ紹介します。
内省(リフレクション)する
「自分の感情を認識する」というのは簡単そうでいて、実はとても難しいことです。
感情は理性の外側からやってくるので、気づいたときにはすでに感情に支配されてしまっていることも珍しくありません(二度寝が良い例ですね)。
まずは1日1回でも、難しければ1週間に1回でも良いので、内省の時間を設けるようにしましょう。
「最近、感情に流されてしまっていることなかったかな?」という感じで、弱い自分と向き合う時間(内省する時間)を作るのです。
弱い自分、感情的になりやすい自分を認識することで、再びその自分が現れたときに気づきやすくなります。
自分の感情に気づく行為をメタ認知とも言うのですが、メタ認知の勉強におすすめの本を紹介した記事があるので、気になる人は読んでみてください。
感情的にならない
自分の感情をコントロールして振る舞うのは大変ですが、毎日少しずつ感情コントロールの練習を積み重ねることで、だんだん自然とできるようになります(筋トレと同じで脳が鍛えられるため)。
まずは感情の波に流されず、他人に対して感情的な振る舞いをする回数を減らすようにトレーニングすることから始めましょう。
自分が他人に対して行う発言のひとつひとつに気を配り、発言や行動にはすべて理由や意味を付けるようにします。
そうすれば、相手を不快にさせる発言や行動(=感情的な言動)が少なくなってくるはずです。
また自分の怒りの感情をコントロールする方法を「アンガーマネジメント」と言ったりするのですが、アンガーマネジメントの勉強におすすめの本を紹介した記事があるので、気になる人は読んでみてください。
他人の意図を察する(忖度)
感情的になっている相手は別として、他人があなたに向かって何か話すとき、何らかの意図や目的があって話すことがほとんどです。
以前、相手の気持ちを推し量るという意味を持つ「忖度(そんたく)」という言葉が流行りましたが、EIを高めるには「忖度の習慣」を付けるのが効果的です。
「いま相手はどのような感情、どのような意図で自分に話をしているのか」「相手のいまの表情はどのような感情を表しているのか」など、コミュニケーション相手の感情を推し量る習慣をつけることで、だんだんと相手の感情を理解する確度が上がっていきます。
初めのうちはよくわからないかもしれませんが、最初に挙げた「内省(リフレクション)」とも組み合わせて習慣化することで、あなたの感情知性EIは日に日に高まっていくことでしょう。
感情知性EIを高めるには、今回ご紹介したトレーニング法以外にも本を読むなどして鍛えることもできます。日本ではEQに関する本を読むことで、EIを高めることにつながるでしょう。
【EI診断テスト】あなたの感情知性はいくつ?
最後に、感情知性EIの提唱者ダニエル・ゴールマンさんが作成した感情知性EIの診断テストを紹介します。
全部で10問ある4択テストですので、回答してみてください。
まとめ
今回は「感情知性EIとは何か?」「感情知性EIが高い人の特徴」「感情知性EIを高めるトレーニング方法」「感情知性EI診断テスト」について解説しました。
感情知性EIは21世紀を生き抜く上でとても大切なスキルです。毎日少しずつで良いのでEIを高める習慣を実践して、EIを高めていきましょう。
では、また。