メタ認知能力とは「自分の認知活動を客観的に捉え、自分の言動を制御していく能力」を指します。仕事やプライベートを充実させ、豊かな人生を送るのに、メタ認知能力は欠かせない能力です。
当記事では
- メタ認知能力の概要・活用事例
- メタ認知能力が高い人の特徴
- メタ認知能力を鍛えるメリット
- メタ認知能力を高める方法
について解説していきます。
メタ認知能力とは?
繰り返しになりますが、メタ認知能力とは「自分の認知活動を客観的に捉え、自分の言動を制御していく能力」のことです。そして、メタ認知能力に関する知識を「メタ認知的知識」、メタ認知能力を活用して行う活動のことを「メタ認知的活動」と言います。
メタ認知的活動は「自分の認知活動を客観的に捉えること(メタ認知的モニタリング)」と「自分の言動を制御していくこと(メタ認知的コントロール)」の2種類に分けられ、この2つの活動と「活動の振り返り(自己評価)」を繰り返すことで、メタ認知的活動を行います。
コックピットから自分を操縦する感覚
メタ認知的活動の表現としてよく使われるのが、「ゲーム感覚」、「コックピットから自分を操縦する」などです。
少し怪しい感じがするかもですが、実際にメタ認知的活動を実践してみると、この表現はよくメタ認知的活動を表しているなと感じます。
自分という人間を客観的に見ることで、まるでコックピットから現在の状況を俯瞰して見ることができます。やりすぎると人間性が失われていくので、そこもメタ認知を使っていきすぎないようにしましょう。
アスペルガーやうつ病の治療にも効果的
メタ認知は、アスペルガーやうつ病の症状を軽減させることにも効果があると言われています。
感情の波に飲まれたり、思考の視野が狭くなったりすることを、メタ認知的活動を意識して行うことで防げるからです。
「メタ認知と発達障害・アスペルガー」、「メタ認知療法とうつ病」については下記の記事で解説しています。
メタ認知と発達障害・アスペルガー
メタ認知療法とうつ病
メタ認知能力が高い人が持つ5つの特徴
メタ認知能力が高い人がどのような人かを知るために、5つの特徴をまとめました。
周囲に気配りができる
メタ認知能力の高い人は、現状を俯瞰してみることに長けているため、周囲の困りごとによく気づきます。
相手が困っていること、知りたいこと、悩んでいることなどを察知して、ピンポイントで手を差し伸べてくれるため、周囲からは「気配りのできる人」と思われることが多いです。
主観と客観の使い分けが上手い
メタ認知能力の高い人は、視点を切り替えて物事を見ることに長けています。
自分の立場で主張したい意見と、相手の立場で主張したい意見を区別して考えられるため、感情の波に飲まれたり、議論が混乱したりすることが少ないです。
冷静で柔軟な対応ができる
メタ認知能力の高い人は、自分の感情の変化をキャッチしたり、状況ごとに必要な振る舞い方が分かっているため、普通の人なら慌てるような状況でも、落ち着いて柔軟に対応できます。
余裕がない状況だと、人は適切な意思決定ができず、間違いを起こす確率が高いです。常に冷静で柔軟な対応ができるからこそ、適切なアクションを起こすことができます。
言動の目的と意図が分かりやすい
メタ認知能力の高い人は、議論や会話を俯瞰してみているため、言動の目的や意図が明確で分かりやすいです。
相手がした言動の目的や意図も汲み取ろうとしてくれるので、話している側からすると「コミュニケーションが上手な人」という印象を受けます。
自分を深く理解している
メタ認知能力の高い人は「自分はどういう人間なのか」「長所と短所はなにか」「好きなもの、嫌いなものはなにか」など自分に関する情報をよく理解しています。
そのため、自分の苦手なことや嫌いなことは避け、自分の得意なことや好きなことに多くの時間を注ぎます。
メタ認知能力を鍛える5つのメリット
メタ認知能力を鍛えるメリットのうち、代表的なものを5つまとめました。
- 円滑で良好な人間関係を築ける
- 有利に交渉を進められる
- 仕事を効率的に進められる
- 安心感のある人になれる
- 納得感のある人生を送れるようになる
総じて言えることは、「周囲と調和・協力しながら、効率的に問題を解決し、みんなで人生を豊かにしていける能力」がメタ認知能力です。
メタ認知能力を高める5つの鍛え方
さて、メタ認知能力の重要性について理解したら、いよいよメタ認知能力を高めるための具体的な方法について解説します。
メタ認知能力を高める方法は、大きく5つあります。1つずつ解説していきますね。
本でメタ認知についての理解を深める
メタ認知能力を高めるには「本を読むこと」がおすすめです。
メタ認知関連の本を読むことで、幅広いメタ認知能力の知識を得ることができ、より多角的に自分や相手の感情を観察できます。
実践で使うにはある程度の慣れは必要ですが、座学で正しい知識を身につけることで、慣れるまでのスピードも早めることができるでしょう。
メタ認知関連の本は色々ありますので、詳しくは下記の記事を見てください。
瞑想・マインドフルネスを行う
メタ認知能力のうち「感情の波に飲まれないこと」「いつも冷静でいること」を鍛えるなら、「瞑想・マインドフルネス」がおすすめです。
瞑想・マインドフルネスはGoogleでも取り入れられているヘルスケア手法です。目を閉じて静かに座って「いま・ここ」を意識するのが基本的な流れです。
マインドフルネスには他にも、歩行式マインドフルネスやヨガをしながら行うマインドフルネスなどさまざまな種類があります。
興味のある人は下記の記事で紹介している本が参考になりますよ。
コーチング(認知療法)を受けてみる
コーチングや認知療法を受けることで「第三者から客観的に見た自分」を認識することができます。
メタ認知の基本は「自分を知ること」です。自分を深く知るには色んな角度から自分を見ることが大切なので、専門家と1対1の状況を作って、自分のことを深く知れるコーチングや認知療法は、メタ認知能力を高める方法としてとても有効です。
コーチングや認知行動療法に興味のある人は下記の記事で紹介している本が参考になりますよ。
自己分析でメタ認知的知識を深める
1番初めにメタ認知能力は「メタ認知的知識」と「メタ認知的活動」の2つに分けられるとお話しました。いわゆるメタ認知能力は「メタ認知的活動」を指すことが多いですが、このメタ認知的活動を支えるのが、事前知識としての「メタ認知的知識」です。
メタ認知能力を高める方法として1番初めに挙げた読書もそうですが、高いメタ認知的知識を持っておくことで、メタ認知的活動をより円滑に行うことができます。具体的には、事前の自己分析で「自分が感情的になりやすい場面」「自分に隠された認知バイアス」などに気づいておくことで、メタ認知能力の底上げを行うことができます。
メタ認知的活動を実践する
最後に、メタ認知能力を鍛える1番の方法は、やはり「実践」です。
現実の対人コミュニケーションの場で、少しずつで良いので継続的にメタ認知的活動を意識してみてください。日々の積み重ねが、メタ認知能力の向上に繋がります。
メタ認知的活動の具体的な手順については、下記の記事で詳しく解説しています。
まとめ
今回は「メタ認知能力の概要・活用事例」「メタ認知能力が高い人の特徴」「メタ認知能力を鍛えるメリット」「メタ認知能力を高める方法」について解説しました。
メタ認知能力の高い人は、人生を豊かに送ることができます。あなたもメタ認知能力を高めて、良好な人間関係の中で豊かな人生を送ってみませんか?
では、また。