心理療法は、精神疾患や発達障害などの症状や不安を緩和する方法の1つです。できるだけ薬に頼らずに治療するときに用いられます。
この記事では、心理療法についての知識を深めて精神疾患や発達障害の治療に役立てたい人向けに、「心理療法のおすすめ本」を紹介します。
心理療法の本を探している人はぜひ参考にしてください。
心理療法のおすすめ本ランキング21選!
心理療法のおすすめ本を21冊ご紹介します。
時間のかかる営みを、時間をかけて学ぶための心理療法入門
「時間のかかる営みを、時間をかけて学ぶための心理療法入門」は、心理療法の基礎から実際まで学べる心理療法入門本。
心理職の国家資格が誕生し、多職種連携のあり方が問われる心理療法について詳しく解説されています。
そもそも心理療法とはどのような営みとは何かから書かれているので、大学では教えてくれない心理療法というものを根幹から見つめたい人におすすめの本です。
心理療法の想像力
「心理療法の想像力」は、2007年に逝去したユング派心理療法家、織田尚生による本。
日本の「昔話」、西洋中世の「錬金術」、クライエントの「夢」の分析を通して、織田心理療法の核である「変容性逆転移」について詳しく解説されています。
著者独自の視点から心理療法の根本課題が開示されているので、臨床家を目指す学生や、心理臨床に携わる人におすすめの本です。
臨床にいかす心理療法
「臨床にいかす心理療法」は、臨床の現場で役立つ心理臨床理論や、心理療法の技法を紹介している本。
臨床心理学の歩みや、交流分析を用いた症例など、さまざまな心理療法とその進め方について詳しく解説されています。
実際の面接での事例や、クライエントとの信頼関係構築に役立つ技法が紹介されているので、臨床に関わる対人援助職の人におすすめの本です。
心理療法統合ハンドブック
「心理療法統合ハンドブック」は、2019年に設立された日本心理療法統合学会の主要メンバーが書き下ろした本。
有効性の確立された6つの統合療法や、臨床家育成のトレーニングなど、日本におけるこれからの心理療法の統合のあり方について詳しく解説されています。
重要な最新理論もトピックスにて提示しているので、日本における心理療法の現状や、今後について見識を深めたい人におすすめの本です。
子どものこころが傷つくとき 心理療法の現場から
「子どものこころが傷つくとき 心理療法の現場から」は、心理療法士が見た子供の心のケアの現場の実情と解決法についての解説本。
子供の不登校や引きこもりの原因から解決方法まで子供の心のケアについて詳しく解説されています。
現場を見ている心理療法士が書いた本なので、子供への対処法に悩む親や子供のケアの現場にいる人におすすめの本です。
やさしく学べる心理療法の基礎
「やさしく学べる心理療法の基礎」は、心理療法の歴史や基本的な知識のポイントをやさしく解説した本。
心理療法の理論と実際について、実践的に学ぶことができるように配慮されており、心理療法について詳しく解説されています。
課題に取り組みながら学んだことを実践できるので、臨床心理学を専攻している学生はもちろん、心理療法に興味や関心がある人におすすめの本です。
ミルトン・エリクソンの心理療法セミナー
「ミルトン・エリクソンの心理療法セミナー」は、心理臨床家であるミルトン・エリクソンが自宅で開いた一週間の教育セミナーを再現した本。
心理療法の実際に貢献したと言われる偉大な心理臨床家であるミルトン・エリクソンの自宅で開かれた一週間の教育セミナーについて詳しく解説されています。
実際に開かれたセミナーでの学生とのやり取りについて書かれているので、創造的で偉大な心理臨床家と言われたミルトン・ハミルトンを少し身近に感じたい人におすすめの本です。
砂の癒し・イメージ表現の力 トラウマ,発達障害,ADHDをもつクライエントとの箱庭療法
「砂の癒し・イメージ表現の力—トラウマ,発達障害,ADHDをもつクライエントとの箱庭療法」は、20年の活動履歴を持つ「心理療法ケース研究会」に所属する著者らが、実際の箱庭療法のプロセスを紹介した本。
ある女性の個性化プロセスや、ADHDと診断され、不登校気味だった少年のケースなど、箱庭の中に展開されるクライエントのイメージから、深層心理を読み取り解明する奥義について詳しく解説されています。
国際箱庭療法学会ティーチングメンバーが監修しているので、訓練を積んだ実践家による箱庭療法の実際を知りたい人におすすめの本です。
心理療法と情念 イメージとの対話による主体の生成
「心理療法と情念 イメージとの対話による主体の生成」は、天理大学人間学部准教授で臨床心理学を専門とする著者が、描画法を用いる意義を検討した本。
バウムテスト、スクイグル、風景構成法を用いた研究や事例をもとに、セラピストとクライエントが出会い、関わるプロセスや、クライエントの主体が生成される様について詳しく解説されています。
近年増えている“主体のなさ"を特徴とした事例について検討しているので、現代の心理臨床現場において、描画法・イメージをどのように活用できるのか知りたい人におすすめの本です。
アタッチメントと心理療法 こころに安心基地を作るための理論と実践
「アタッチメントと心理療法 こころに安心基地を作るための理論と実践」は、英国で長年にわたり統合的な心理療法を探究してきた臨床家が、「心理療法の共通言語」としてのアタッチメント研究に挑んだ本。
厖大なアタッチメント研究や、多種多様な面接技法など、こころの「安心基地」を作るための理論と実践について詳しく解説されています。
クライエントとの良い治療関係を築くヒントを与えてくれるので、心理臨床に携わるあらゆる人におすすめの本です。
心理療法家の言葉の技術 治療的コミュニケーションをひらく
「心理療法家の言葉の技術 治療的コミュニケーションをひらく」は、統合的心理療法を志向する著者が、独自の治療的コミュニケーション理論を紹介している本。
促進的コメントや帰属的コメント、暗示、リフレーミング、パラドックス、治療者の自己開示など、クライエントの悪循環を覆すカウンセラーの言葉の技術について詳しく解説されています。
初版刊行後に登場した新たな理論も吸収・補完しているので、臨床における自らの知識や技法をアップデートしたい人におすすめの本です。
ミルトン・エリクソン心理療法 レジリエンスを育てる
「ミルトン・エリクソン心理療法 レジリエンスを育てる」は、エリクソン財団1500時間の録音記録にもとづき、ミルトン・エリクソンの心理療法を解説している本。
病、障害、事故、失業、別離など、人生に打ちのめされた人々をあざやかに立ちなおらせた天才セラピストの方法と哲学について詳しく解説されています。
セッション事例が豊富に収録されているので、エリクソンのテクニックを余すところなく知りたい人におすすめの本です。
心理療法ハンドブック
「心理療法ハンドブック」は、ロングセラー『心理臨床家のための 精神医学ハンドブック』の姉妹本。
心理臨床の歴史から基本的枠組み、理論と技法の実際、知っておくべき基本用語など、心理臨床の全分野について詳しく解説されています。
「心理臨床の何たるか」がわかりやすくまとめられているので、初心者やこれから臨床心理士を目指す人におすすめの本です。
図解やさしくわかる認知行動療法
認知行動療法について、図解を用いてわかりやすく解説した本です。
概念を理解するだけでも一苦労な認知行動療法ですが、図やイラストを用いてわかりやすく解説しているので、初めての人でも理解しやすくなっています。
認知行動療法についてまずはざっくりと勉強したい人におすすめの本です。
森田療法
「森田療法」は、神経症からの解放のみならず、日常人のメンタル・ヘルスの実践法として有益なヒントが書かれている本。
他人の視線に怯える対人恐怖症。強迫観念や不安発作、不眠など、神経症からの解放について詳しく解説されています。
自分の不安や葛藤を否定せずに受け入れて、目的本位(自己実現欲求)に従って行動する事など書かれているので、対人恐怖や強迫観念など神経質な人におすすめの本です。
よくわかるACT 明日からつかえるACT入門
「よくわかるACT 明日からつかえるACT入門」は、ACTの考え方から実践方法まで、ACT初学者にもわかりやすく解説されている本。
ACTをこれから学ぶ入門者から、すでに現場で実践を積んでいる臨床家まで、幅広い人を対象にした1冊。
考え方としては「森田療法」と「マインドフルネス」を足したような考え方なので、これらの思想に共感できる人には特におすすめの本です。
はじめての家族療法 クライエントとその関係者を支援するすべての人へ
「はじめての家族療法 クライエントとその関係者を支援するすべての人へ」は、家族療法の基本的な考え方、技法などを分かり易く説明している本。
システム論的家族療法を中心に、今なお発展し続づけるセラピーの多様性についても詳しく解説されています。
豊富な事例で易しく学べる内容になっていますので、これから家族療法を学びたいと思っている人におすすめの本です。
日本人のための音楽療法
「日本人のための音楽療法」は、精神科医で、日本音楽や民俗音楽に造詣の深い著者が、 フィールドワークや自身の病院での実践により確立した音楽療法のエッセンスに触れている本。
もののね、つくり歌、歌舞い、流しなど、心身の不調に本当に効果を発揮する「日本古来の音楽モデル」について詳しく解説されています。
日本人の感性に合う音楽療法が紹介されているので、患者さんの本音を引き出し、喜んでもらえる音楽療法を知りたい人におすすめの本です。
箱庭療法 基礎的研究と実践創元アーカイブス
「箱庭療法 基礎的研究と実践創元アーカイブス」は、長きにわたり箱庭療法にたずさわってきた著者が、箱庭療法の成立や発展といった概説から、自身の基礎的研究、臨床体験にいたるまでを詳細にまとめている本。
健康な学生の「自己表現」の手段としての箱庭の応用などの研究成果も収め、箱庭写真や図解、表を豊富に掲載してるなど、箱庭療法について詳しく解説されています。
箱庭療法の成立や発展といった概説から、自身の基礎的研究、臨床体験にいたるまでを詳細にまとめているので、箱庭療法に興味がある人におすすめの本です。
新装版ミルトン・エリクソンの催眠療法入門
「新装版ミルトン・エリクソンの催眠療法入門」は、エリクソン催眠を解説したビル・オハンロンの古典的名著を新装した本。
クライエントとの治療的コミュニケーションの方法や、クライエントの可能性を誘い出し強調する技法など、古典的催眠のイメージを払拭するエリクソンの新しい催眠療法について詳しく解説されています。
特別な「名人芸」とされてきたミルトン・エリクソンの催眠治療技法がわかりやすく学べるので、心理臨床家や催眠療法に興味があって学びたい人におすすめの本です。
自分でできる対人関係療法
「自分でできる対人関係療法」は、じょうずなコミュニケーションのノウハウについて書かれている本。
対人関係の上手な築き方や、自己表現の仕方など、現代社会において抱えやすい人間関係の悩みを対人関係療法の視点から改善していく方法について詳しく解説されています。
対人関係療法の視点から見た上手なコミュニケーションの取り方などについて書かれているので、人間関係が苦手だけど改善したい人におすすめの本です。
まとめ
今回は、「心理療法のおすすめ本」について解説しました。
心理療法の基本的な考え方やそれぞれの治療法の特徴ややり方を知って、薬以外で心のケアをする方法を身につけてみてはいかがでしょうか?
では、また。